幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
彼は大きく両手を広げ、本当にびっくりしたというよう目を丸くしたけれど、恭しくリーゼの前で頭を垂れてみせたのだった。
* * * * *
屋敷の住民の手当てを終え、皆がある程度落ち着きを取り戻した頃には、すでに夜は明けていた。
比較的軽傷だったひとりが使いに出て、戻ってきたこの屋敷の住民を見て、オルシウスは内心驚いた。
サージは人間だが、一緒にエルフが戻って来た。さらに、ここにはいないが、ドワーフとフェンリルもこの屋敷で生活しているそうだ。
モノクルをかけ、黒と白を基調にした執事服に身を包んだアルダリオンは、両腕を組んでオルシウスをにらみつけた。
「リーゼお嬢様の生き血を吸おうだなんて、とんでもない吸血鬼ですね!」
「ごめんねぇ、瘴気で酔った吸血鬼は、血を求めるものなんだよ。リーゼちゃんからはおいしそうな匂いがするからね。つられたんじゃないかな。阻止するために来たんだけど、間に合わなかったんだよぅ」
ちゃらちゃらと両手を広げて見せるのは、相手の油断を誘うため。もっとも、彼らにはそれは通じていなそうではあるが。
* * * * *
屋敷の住民の手当てを終え、皆がある程度落ち着きを取り戻した頃には、すでに夜は明けていた。
比較的軽傷だったひとりが使いに出て、戻ってきたこの屋敷の住民を見て、オルシウスは内心驚いた。
サージは人間だが、一緒にエルフが戻って来た。さらに、ここにはいないが、ドワーフとフェンリルもこの屋敷で生活しているそうだ。
モノクルをかけ、黒と白を基調にした執事服に身を包んだアルダリオンは、両腕を組んでオルシウスをにらみつけた。
「リーゼお嬢様の生き血を吸おうだなんて、とんでもない吸血鬼ですね!」
「ごめんねぇ、瘴気で酔った吸血鬼は、血を求めるものなんだよ。リーゼちゃんからはおいしそうな匂いがするからね。つられたんじゃないかな。阻止するために来たんだけど、間に合わなかったんだよぅ」
ちゃらちゃらと両手を広げて見せるのは、相手の油断を誘うため。もっとも、彼らにはそれは通じていなそうではあるが。