幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼの生きていく場所は、ここだ。
 いつか、名前を取り戻しに行くつもりではあるけれど、あの屋敷で生活したいとは思わない。

「聖女の力なんて、どうでもいいかな。リーゼは、ここの皆が大事だもん。あとは、なるべく早く大人になって強くなって、フランとお母様のところに行くの」

 もし、リーゼの持つ力が聖女のものなのだとしたら、あの男はリーゼを連れ戻そうとするだろう。リーゼから名を奪い、ここに放り出したことなんてなかったような顔をして。
 そうしたら、フランチェスカはどうなるのだろう。名を奪われ、死んだことにされた彼女の行く場所なんてない。
 リーゼの大切な半身。双子の妹。
 リーゼを追い出したあと、公爵はフランチェスカに期待をかけた。リーゼが戻ることによって、その期待がまた失われることになったら。
 フランチェスカの受けるショックは、かなり大きなものとなるはずだ。
 リーゼの様子に、オルシウスは口の中で「そっか」とだけつぶやいた。

「君がそれでいいなら、僕から言うことは特にないかな。ただ、忘れないで。いつか、君のその力が必要とされる時が来る」
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