幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「その時はその時。それまでは、今のままでいい」

 ぐしゃぐしゃとリーゼの頭をかき回すオルシウスの手は、頬がひんやりしているのとは違って温かかった。

(そう、私は、ここの皆が大事だから)

 聖女としての力があれば、いつか名前を取り戻すことができるだろうか。
 その程度には気になるけれど、それよりはこの地を繁栄させていくことを選びたい。
 

 * * *

 

 その日の夜、リーゼは夢を見た。
 リーゼが立っているのは、どこか広い空間だった。石造りの広間は、どこまでもどこまでも広がっていて、壁がどこにあるのかわからない。
 きょろきょろと周囲を見回していたら、ふっと目の前に若い女性が立った。

「あなたを待っていましたよ、リーゼロッテ」
「誰?」

 そう問いかけたけれど、問いかけた瞬間理解した。彼女は、女神アビゲイルだ。
 創世神から、この世界の管理を任されている女神。彼女の姿は、教会に建てられている像によく似ていた。
 白っぽく見える金髪が、柔らかく彼女の顔を覆っている。飾り気のない白いローブは、祭司が身に着けているものとよく似ていた。
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