幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 シドは、リーゼ抜きで街中に出る時には子犬の姿をしていることが多いらしい。
 子犬の姿だと皆油断するし、単に本来の姿だと目立つからというのも理由のひとつだそうだ。子犬の姿のシドはころころとしていて、威厳も何もないのだが、可愛らしいのでその姿も気に入っている。今日は、街の外から来ている人もいるので、本来の姿ではない方がいい。
 動きやすい服装に着替えたリーゼを街に連れ出したのはアルダリオンだった。
 今日の彼は、いつもの執事の服装ではなく、目立たない白いシャツに茶のズボン、長いブーツという格好だ。それでも、アルダリオンの美貌は隠しようもない。

「オルシウスも来ればよかったのにねぇ」
「――夜になったら見に行くと言っていましたよ」
「そう? オルシウスが見て面白いものがあればいいんだけど」
「血の気が多そうな人間がいたら、ちょっと生気をいただくと言っていましたよ。夜になれば、酔っ払いが暴れることもあるでしょうしね。生気を吸えば相手もおとなしくなるでしょうし、こちらも助かります」

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