幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
たやすく倒せる相手として襲い掛かってきた盗賊の方が地獄を見ることになるだろう。馬車に乗っている二人と一匹も、戦力としては非常に強力だ。

(そんなことより……帰ったら、あの人に合わないといけないんだろうな)

 久しぶりの都。かつて父と呼んだ人と顔を合わせると思うと気が重い。ここに来てだいぶ落ち着いたと思っていたけれど、名を奪われた現実はまだリーゼをむしばんでいるようだった。
馬車で移動する時はいつもリーゼの側に座っている兎達は、今回はリーゼとリリンダの間に座っている。兎達を引き寄せると、王宮に向かう不安がかき消されるような気がした。
 前回はひと月ほどかかったのに、都に戻る時はその半分の時間ですむという。

「ずいぶん強行軍なんだねぇ」

 馬車に乗ってから、日程を聞かされたリーゼはびっくりした。向かい側に長い足を組んで座ったオルシウスは首を傾げる。

「今回は、リーゼちゃんも前より体力ついてるからって言ってたよ。普通なら、十日くらいで行き来するっていうから、前回はずいぶんゆっくりだったんじゃないかな?」
「王様をあまり待たせるのはマズイ」

< 280 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop