幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 アルダリオンとムラトは置かれている家具がどの木材を使っているのか、作った家具職人は誰なのかと室内の調度品を眺めるのに忙しい。
 リリンダは、リーゼのためにお茶の用意をしたあとは、落ち着かない様子で両膝の上に手を置いて椅子に腰かけている。
 豪奢な花模様の布の張られたソファに身を横たえているオルシウスは、リリンダとは違って完全にくつろいだ様子だ。もともと貴族的な容姿の持ち主なので、この部屋に置かれている家具に負けない存在感だ。

「……フリードベルク公爵夫人がお見えになりました」

 客人の到着を告げる使用人は、どこか緊張している様子だ。公爵夫人と聞いて、サージがぴしりと固まった。

「リーゼロッテ!」
「……お母様?」

 しばらくぶりに見る母は、最後に見た時と比べるといくぶんやつれた様子だった。そして、母の陰にはフランチェスカが隠れている。
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