幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 母のスカートの陰からようやく顔を出したフランチェスカは、リーゼロッテに向かって手を伸ばす。

(あれ、フランってこんなにちっちゃかったかな?)

 離れて暮らすまで、"リーゼロッテ"と"フランチェスカ"は、区別がつかないほどそっくりだった。だが、今、リーゼの視線はフランチェスカより高い位置にある。

「アルダリオンさんから連絡をもらって、あなたのドレスを用意したの。明日は、これを着てね……こんなに大きくなって」

 リーゼの頬に手をあて、微笑む母の目には涙がにじんでいる。それを見たリーゼは、意図的に口角を上げた。

「リーゼ、デリモで楽しいから大丈夫。フランは?」
「……元気」
「ほら、連れてきたの」

 フランチェスカの前に、リーゼは灰色兎のぬいぐるみを二体とも差し出した。デリモに行ってからずっとリーゼの側にいたぬいぐるみ。
 フランチェスカは、耳が少し汚れている方のぬいぐるみを迷わず取り上げて、頬ずりをした。

「公爵夫人、こちらで少しお休みになってはいかがですか?」

 アルダリオンが、すかさず母に椅子をすすめる。

「それにしても……皆さん、どうしてここに?」

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