幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 フッと息を吐きだした魔族は、真正面からリーゼをにらみつけた。

「――かたくなぁれ!」

 嫌な予感と共に、リーゼは目の前にバリアを展開する。その予感は、間違いではなかった。
 リーゼの張ったバリアに、圧倒的な魔力が叩きつけられる。窓や壁が一部吹き飛び、あたりにはもうもうと煙が立ち込めた。
 窓が失われ、吹き込んできた外の風が煙を運んでいく。
 そして、再び姿を見せた時、魔族の姿は大きく変化していた。
 ――それは、"異形"であった。人の姿に似てはいるけれど、縦横共に倍ほどの大きさがある。そして、肌の色は青く、頭には二本の角が生えていた。
 角は、羊の角のようにカーブを描いていて、頭と同じほどの大きさがある。
 手にしているのは、剣。だが、左右二本ずつの腕があり、そのうち二本が剣を、そして残る二本が盾を持っていた。

(これが、本当の姿……)

 リーゼは、その様子を、目を見開いて見ていることしかできなかった。魔族の身体を覆うのは、革製の鎧のようなもの。だが、その鎧には、人の顔のようなものが浮き出ている。

「――おいおい。こんな凶悪な姿をしてるなんて聞いてねぇぞ!」

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