幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「でも、リーゼロッテはもう行かなくてはならないの。きっと、会えるから……今は、ね? 二人とも……」
二人をなだめようとしている母の言葉にも説得力はなかった。フランがわぁわぁと泣く声だけが響く。
「もう、行くね」
最初に三人の輪から抜け出したのはリーゼだった。いつまでもここに立っているわけにはいかない。
「この子を一緒に連れて行って! フランのかわりに、この子を連れて行って」
フランチェスカは、兎のぬいぐるみを二つリーゼに押し付けてきた。
ひとつはリーゼの持っていたもの。もうひとつはフランチェスカの持っていたもの。片方の灰色兎は耳のところが黒くなっている。
(……フランは、このぬいぐるみをすごく大事にしてたのに)
離れたくないという願いをこのぬいぐるみにこめたのだろうか。ぬいぐるみを受け取ったリーゼは、フランチェスカと額を合わせた。
「すぐ、帰ってくる」
「うん、待ってる」
大事な、大事な妹――誰よりも、愛してる。
後ろ髪を引かれながらも向きを変えたら、リリンダがリーゼをひょいと抱えあげて馬車に放り込んだ。続いて乗り込んできた彼女は、リーゼを座席に座らせ、その向かい側に腰を下ろす。
「団長、準備できた」
「おう、出発だ! 急げ!」
二人をなだめようとしている母の言葉にも説得力はなかった。フランがわぁわぁと泣く声だけが響く。
「もう、行くね」
最初に三人の輪から抜け出したのはリーゼだった。いつまでもここに立っているわけにはいかない。
「この子を一緒に連れて行って! フランのかわりに、この子を連れて行って」
フランチェスカは、兎のぬいぐるみを二つリーゼに押し付けてきた。
ひとつはリーゼの持っていたもの。もうひとつはフランチェスカの持っていたもの。片方の灰色兎は耳のところが黒くなっている。
(……フランは、このぬいぐるみをすごく大事にしてたのに)
離れたくないという願いをこのぬいぐるみにこめたのだろうか。ぬいぐるみを受け取ったリーゼは、フランチェスカと額を合わせた。
「すぐ、帰ってくる」
「うん、待ってる」
大事な、大事な妹――誰よりも、愛してる。
後ろ髪を引かれながらも向きを変えたら、リリンダがリーゼをひょいと抱えあげて馬車に放り込んだ。続いて乗り込んできた彼女は、リーゼを座席に座らせ、その向かい側に腰を下ろす。
「団長、準備できた」
「おう、出発だ! 急げ!」