幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 パンがふわふわしたものなのは、朝、屋敷の料理人がサンドイッチと一緒に渡してくれたからだそうだ。
 テントのようなものをはるのかと思っていたら、そんなことはしないらしい。
 護衛の傭兵達は順番に見張りに立つようだ。見張りの番ではないものは、さっと地面に横になって目を閉じている。休める時に休んでおくということなのだろう。

「――じゃあ、ここで寝るんだぞ」

 それでも幼いリーゼには気を使ってくれたようで、毛布を二つ折りにしたものが布団の代わりに提供される。
 上にもう一枚の毛布をかけたら寝支度は終了だ。川の水で顔を洗い、歯を磨いてから毛布の中に潜り込んだ。

「子供は早く寝るべき」

 リーゼの世話係であるリリンダが、リーゼの隣、むき出しの地面にごろりと横になった。彼女は革の鎧を身に付けたままだ。

「リリンダも傭兵なんだよね?」
「そう、私も傭兵――いつか、団長の右腕になる」

 サージの名を口にする時、リリンダの声には誇らしげな色が混ざった。サージのことを、とても大切に思っているようだ。
 傭兵とは、その名の通り、戦いを生業とするものだ。
 ベイティス傭兵団のように頼りになるリーダーを中心として、軍隊のように組織されているものもあるという。

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