幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「へぇ、リリンダってすごいんだねぇ」

 サージにじゃれているリリンダの様子は、どう見ても親子とか、年の差のある兄妹だけれど、彼女の恋が叶わないなんて誰にも決められない。
 パンとスープで朝食を終えたら、再び馬車に乗り込む。

(大丈夫、リリンダの邪魔はしないもの)

 リーゼは紙玉を作り、昨日と同じようにスキルを発動して魔力を流し込む作業を始めた。

「……かたくなぁれ!」

 ひたすらに紙玉を硬化し続けるリーゼを、リリンダはじっと見ている。

「リーゼは、変」
「そう? ――かたくなぁれ!」
「……うん、変だ」

 リリンダは、リーゼのどこが変だと言いたいのだろう。

「リーゼは、リリンダのことが好きだよ」

 そう真正面から口にしたら、リリンダは驚いたように目を丸くした。

「それも変?」
「……変じゃない」

 ちょっぴり照れくさそうな顔になる。それから少しだけ表情を柔らかくした彼女は、リーゼが紙玉を硬化し続けるのをじっと見つめ続けていた。
 

 こうして、旅は順調に続いた。
 幼いリーゼが中心の旅ということもあり、続けての野営はしないと決めているようだ。
 時々、多少の無理をしてでも宿場町まで急ぎ、宿の柔らかなベッドで眠るということもあった。
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