幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
五歳の子供には過酷な旅路だというのに、リーゼが体調を崩さないでいられたのはそのおかげかもしれない。
家を追い出され、こわばっていたリーゼの心も、傭兵達と一緒に旅をしている間に少しずつほぐれていく。このまま、皆と旅を続けられればいいのにと願うほどに。
(デリモに着いたら、皆とお別れになっちゃう……それって寂しいなぁ)
ベイティス傭兵団にいるのは、気のいい人間ばかりだった。彼らと別れてひとり、デリモで暮らすのはきっと寂しい。
リーゼが、その子犬を見つけたのは、明日にはデリモに到着するという日のことだった。
宿に入るために馬車から降りたら、リーゼの足にまとわりついてきたのだ。薄汚れたその子犬は、パタパタと尾を振っている。
「汚い。リーゼ、触っちゃダメ。噛まれる」
リーゼに優しくなったとはいえ、リリンダのぶっきらぼうな口調は相変わらずだ。
「噛まないよ。だって、こんなにしっぽを振っているじゃない」
リーゼが手を差し出すと、子犬はリーゼの手を舐めた。濡れた舌が手のひらをくすぐり、リーゼはくすくすと笑う。
「触っちゃダメだって言った!」
リリンダは両手を腰に当てた。だが、子犬に敵意がないというのは理解したらしい。
(……寂しかったのかな)
家を追い出され、こわばっていたリーゼの心も、傭兵達と一緒に旅をしている間に少しずつほぐれていく。このまま、皆と旅を続けられればいいのにと願うほどに。
(デリモに着いたら、皆とお別れになっちゃう……それって寂しいなぁ)
ベイティス傭兵団にいるのは、気のいい人間ばかりだった。彼らと別れてひとり、デリモで暮らすのはきっと寂しい。
リーゼが、その子犬を見つけたのは、明日にはデリモに到着するという日のことだった。
宿に入るために馬車から降りたら、リーゼの足にまとわりついてきたのだ。薄汚れたその子犬は、パタパタと尾を振っている。
「汚い。リーゼ、触っちゃダメ。噛まれる」
リーゼに優しくなったとはいえ、リリンダのぶっきらぼうな口調は相変わらずだ。
「噛まないよ。だって、こんなにしっぽを振っているじゃない」
リーゼが手を差し出すと、子犬はリーゼの手を舐めた。濡れた舌が手のひらをくすぐり、リーゼはくすくすと笑う。
「触っちゃダメだって言った!」
リリンダは両手を腰に当てた。だが、子犬に敵意がないというのは理解したらしい。
(……寂しかったのかな)