幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「ああ、デリモはヴハ王国との国境だからな。ヴハ王国の方から来て、取るものを取って国境を越えてしまえば、手は出せないというわけだ」

 国境の治安が不安定なのには、そんな理由もあったのか。

(そんなところに送るなんて、やっぱり処分ってことなんじゃないかなぁ……)

 フリードベルク公爵は、自分の手を汚すことはしなかった。
 野垂れ死にするのは気分が悪いとかなんとか言っていたが、実際にはリーゼがヴハ王国の兵士に殺されるのを望んでいるように思えてしまう。
 馬車に乗り込むと、シドはリーゼの脇でおとなしく丸くなる。今まで両脇に置いていたぬいぐるみは、リーゼを挟んで反対側に二体並べた。
腰に剣を帯びたリリンダが正面に座るのを待って、馬車はゆっくりと動き始めた。

(デリモについたら、まずどうやって街を守るのか考えた方がいいかな……私にできるかな……)

 公爵のしたことは馬鹿げているとしかリーゼには思えなかった。
 公爵の命令で派遣されてきた領主となれば、敵が攻めてきた時に町の人達がリーゼを置いて逃げるなんてできないだろう。街の被害が大きくなるということだって容易に想像できる。

(……あの人は、デリモの人達のことは、どう思っているんだろう)

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