幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「ヤダ! こんなところで、こんなやつらになんか絶対に負けない!」
リーゼは弱い、そんなの知っている。
何もできない。それもわかっている――けれど。
ここまでリーゼを守ってくれた人達を、見捨ててひとり逃げるなんてしない。それは、臆病者がすることだ。
「よく言った! その勇気――そなたを我が主と認めてやろう」
リーゼの足元から偉そうな声がする。声を発したのは、シドだった。
銀色の獣が、天を仰いで吠える。その声は、小さな体躯からは想像もできないほど大きなもので、地面が揺れたと錯覚するほどだった。
閃光があたりを包み込んだ――次の瞬間。
「ぎゃああっ!」
リーゼに剣を向けていた盗賊が吹き飛ばされる。
「さて、吾輩に食われたいのはどいつだ? 骨まで残さず食らってやろうぞ!」
「……フェンリル?」
尻もちをついた盗賊が呆然とつぶやいた。リーゼの足元でうろうろとしていた子犬は、いまや成人男性と同じくらい大きくなっていた。
豊かな毛並み、立派な尾。聖獣フェンリルと呼ばれるその獣は、主と認めた者に忠誠を誓うとされている。だが、その姿が見られることはほとんどなかった。
「フェンリルがいるだなんて聞いてないぞ!」
「かなうはずないだろう!」
「逃げろ!」
リーゼは弱い、そんなの知っている。
何もできない。それもわかっている――けれど。
ここまでリーゼを守ってくれた人達を、見捨ててひとり逃げるなんてしない。それは、臆病者がすることだ。
「よく言った! その勇気――そなたを我が主と認めてやろう」
リーゼの足元から偉そうな声がする。声を発したのは、シドだった。
銀色の獣が、天を仰いで吠える。その声は、小さな体躯からは想像もできないほど大きなもので、地面が揺れたと錯覚するほどだった。
閃光があたりを包み込んだ――次の瞬間。
「ぎゃああっ!」
リーゼに剣を向けていた盗賊が吹き飛ばされる。
「さて、吾輩に食われたいのはどいつだ? 骨まで残さず食らってやろうぞ!」
「……フェンリル?」
尻もちをついた盗賊が呆然とつぶやいた。リーゼの足元でうろうろとしていた子犬は、いまや成人男性と同じくらい大きくなっていた。
豊かな毛並み、立派な尾。聖獣フェンリルと呼ばれるその獣は、主と認めた者に忠誠を誓うとされている。だが、その姿が見られることはほとんどなかった。
「フェンリルがいるだなんて聞いてないぞ!」
「かなうはずないだろう!」
「逃げろ!」