幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 一階には執務室として使っていたらしい立派なデスクや、棚、仕事で会いに来た人と面談するための応接セット等が置かれた部屋もあった。
 家具はいずれも埃まみれだが、壊れているものはなさそうだ。

「執務室は後回しでいいんじゃないかな。リーゼに会いに来る人もいないだろうし」

 町長のあの様子を見ていたら、領主として認められるまでに、かなりの時間を要するだろう。それまでの間に、ここは綺麗にすればいいとあっさり決める。
 寝室のベッドは使えそうだが、布団類は駄目になっていた。どの程度の期間放置されていたのかは不明だ。

「リーゼ、ここで寝られる?」
「うん。リリンダが一緒にいてくれるから寂しくないよ」

 また誰か買い出しに走らねばならないだろう。リリンダは買い物用のメモをせっせと作っている。
 サージの指示に従って傭兵達もそれぞれの持ち場に散っていく。
 リーゼは掃除の手伝いができないし、シドと一緒におとなしく部屋の隅にいたが、意外なところで戦力になった。

「洗剤が足りない」

 掃除を始めてすぐ、リリンダが顔をしかめる。あまりにも長い間放置されていたから、用意した洗剤があっという間になくなってしまったのだ。

「誰か、買い出し」
「吾輩が行ってやろうか?」

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