志岐さんと夏目くん
そう伝えると、夏目くんはビックリした顔をしながらも、すぐに笑顔を見せた。
「アハハ、過激だなぁ。 でも、そっか。 向こうは向こうで色々あったんだね」
「うん。 二人とも「夏目くんによろしく」ってさ」
「ん、伝えてくれてありがとう」
とそこまでやり取りをした時に、はたと気づく。
また、注目されている……。
「……と、とりあえず移動しないっ? ほら、他の人の迷惑になっちゃうしっ」
「あ、確かに。 移動した方がよさそうかも」
周りの人にジロジロと見られてることに、夏目くんも気づいたらしい。
苦笑気味に笑いながら、ゆっくりと歩き出した。
……あ、しまった。
流れで同じ方向へと歩き出しちゃった。
一緒に回るわけじゃないのに……。
でも、だからって急に一人で方向転換するのもおかしいよね。
そんなことをしたら、あからさまに避けてるって思われちゃうし……。
少し雑談でもしてから別れようかな?