誰を?何を?見ているの?

☆☆日々の暮らし


無事に顔合わせを終えてから
佐久間総帥と風間総帥の
連名で薫と彩葉の結婚が報告された。

ちょっと会社では
騒ぎになったが····
彩葉の方は、変わりなかった····

最初は、どうなるかと
思っていた二人の生活は
不思議と違和感なくやれていた。

彩葉は、夜勤や急患の時以外は、
食事もきちんとつくる。
掃除や洗濯もこなす。

薫は、彩葉ばかりでは、
ダメだと
お風呂の掃除や
ゴミ出しをしたり
部屋の掃除もやる。

できることをお互いがやって
冷蔵庫に « やったよ »と
書いて置く。
決めた事ではないが
それを自然とやっていた。

LINEも交換してからは
何時に帰る、とか。
今日は、無理、とか
連絡は、必ず入れる。

二人とも、気持ちもないのに
お互いが一緒にいるのが
まったく嫌では······なく·····
不思議だった。

「おはよう。」
「あっ、おはよう。」
挨拶をして
二人で朝食を食べる
「美味しい。朝からありがとう。」
と、言う薫に
「うふっ、どういたしまして。」
と、返す。毎日の日課?みたい
「あっ、彩葉、今日大丈夫?」
「うん。今の所は。」
「わかった。無理な時は良いから
連絡だけして。」
「了解。アマダンホテルだよね。」
「ああ。ご馳走さま。」
と、薫は、言うと準備に席をたつ
彩葉は、食洗機を動かしてから
自分も準備をする。

今日は、得意先の創立パーティーが
行われると言う事で
総帥から
「彩葉ちゃんを連れて行ってはどうか?」
と、言われて彩葉に確認をした。
総帥も少しだけ顔を出すようだ。

彩葉が行けると言ってくれて
薫は、なぜか浮かれている
自分がおかしかった。


入籍をした日に
永倉のご両親には報告をすませた。
びっくりされたが
「天音が寂しがるわね。」
と、言われて
ツキっとなるが
気づかないふりをした。

彩葉に会いたいと言われたが
医師の為、自由がきかなくて
と、話すと
尚更、驚かれた。

一人になる兄が心配だったから
お願いをすると
「大丈夫だよ。」
と、言われた。
「よろしくお願いします。」
と、言って挨拶をすませた。
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