彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



リビングと呼ぶには
みすぼらしくて狭い和室に

氷牙さんを誘導する。



8畳はあるものの

服や生活用品をしまうタンスやテレビが
部屋を取り囲んでいるせいで

座るスペースは、4.5畳ほどしかない。



真ん中にある、古びた座卓を囲んで
私と氷牙さんは、腰を下ろした。





氷牙さんは、何も話さない。


口を一文字に結び
座卓のシミを、ずっと見つめている。



だから私も

年季の入ったシミだらけの座卓を
見つめることしかできないわけで……





お互い無言。

気まずい。

目のやり場にも困る。



氷牙さんに聞きたいことも
伝えたい想いもたくさんあるのに

二人を包む、息苦しい空気に喉を塞がれ
吐き出せない。

< 304 / 343 >

この作品をシェア

pagetop