独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「そういえば、本当はあなたじゃなくて私が金銭の要求したのだと、真崎家に言わなかったのね?」

母は小首を傾げ、私の真意を推し量るように問いかけた。

「……お母さまが私のためにしてくれた借金を返すためだったから」

「わかってくれてうれしいわ」

満足げに微笑む母を、私はまっすぐに見つめる。

「でもお母さま、お約束して。もう二度と借金はしないと」

済んだことを今さら責めてもどうにもならないけれど、同じことを繰り返してはならなかった。

これからはしっかりとした金銭感覚を養い、身の丈にあった生活をする。私も精いっぱい心がける。母だけに家計を任せたりはしない。

「そうね。ふたりで慎ましく暮らしましょうね」

すんなり約束してくれた母に、私は安堵した。母は話せばわかってくれる。

私は真崎家にお金を返済するために、仕事を見つけるのが先決だった。


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