独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
少ない荷物はすぐに片付いた。実家の自室とドアや窓、クローゼットの位置が偶然同じだったので、とても落ち着く雰囲気に仕上がった。

私は今夜から透哉さんと寝室を共にするから、この部屋にはベッドがない。それを思うとドキドキして手が震えてくる。

私たちには交際期間がなく、正直まだ心の準備ができていなかった。けれど準備できたところで、未経験の私にはどうすることもできないだろう。

……透哉さんに任せよう。

そう決意していると、料理を始めるのにちょうどよい時間になった。

「片付けは終わった?」

リビングで本を読んでいた透哉さんは、自室から出てきた私にぱっと顔を向けた。

「はい、終わりました。今から夕食の準備をしますね」

透哉さんはシーフードが好きだと言っていたから、今夜のメインはパエリアだ。

それからポークソテーとミックスサラダ、ガスパチョという献立にした。

大きなアイランドキッチンで料理をするのは楽しかった。実家ではずっと私が家事をしていたので、得意ではないがひと通りは作れる。透哉さんは海外の人や文化と接する機会も多いだろうから、これからはいろんな国の料理にも挑戦してみたかった。

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