独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
透哉さんがお気に入りのワインを開けてくれ、まずは乾杯をする。

舌が肥えているであろう透哉さんに手料理を食べてもらうのは緊張したけれど、おいしいと褒めてもらえてほっとする。

食事を終えると、まずは彼が、その次に私がお風呂を済ませた。

私は裾に向かってふんわり広がるフェミニンなネグリジェ姿で、彼がいる寝室のドアを開ける。キングサイズのベッドのふちに座っていた彼は上にはなにも着ておらず、ボトムのみの半裸姿だった。

不意を突かれた私は、思わずドアの前で立ち竦む。

「どうした?」

透哉さんがわずかに首を傾げると、お風呂上がりでセットされていないさらさらの前髪が頬にかかり、色気が滴った。ほどよい筋肉に覆われた彼の上半身にみとれてしまいそうになる。

心臓が持たないのを確信しながら、私はゆっくりと歩を進めた。

そうしてあと一歩のところで、足がもつれて転んでしまう。

「きゃっ」

するとすかさず長い腕を伸ばし、透哉さんが抱きとめてくれた。そのまま私は軽々とベッドの中央まで運ばれる。

私はぎゅっと目を閉じ、身を硬くした。

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