独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
私が大丈夫でも、透哉さんはそんなつもりじゃなかったのかもしれない。やる気満々の私は、彼にはしたないと思われてしまったのだろうか。途端に不安になった。

「こんなにかわいい新妻に朝から誘惑されて、断る夫がどこにいる? なんなら今からでもしたいくらいだ」

透哉さんは私の腰を抱き寄せ、目もとに口づけた。

「と、透哉さんっ……」

本当に今からするつもりなのかと、私はあたふたした。でももちろんただの軽口で、彼は私に微笑みかけると上機嫌でドレッシングルームへ向かう。私の発言のせいだけれど、朝から心臓に悪すぎる。

一緒に朝ごはんを食べ、まるで愛し合う新婚夫婦のように行ってきますのキスをされ、出社する透哉さんを玄関で見送った。

私はほっと一息つくと、早速部屋の掃除を始める。

ここには今まで週に数回ハウスキーパーが入っていたらしいけれど、できることなら私がしたかった。私が役に立てるのは家事くらいだからだ。

と言っても普通の家にはないような設備も多く、素人の私が手を入れられる範囲は限られていた。

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