独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
そういう思いもあってか、私はより一層気合いを入れて家事に取り組んだ。

朝は必ず彼より先に起き、ごはんの用意をし、ダイニングテーブルが完璧に整った状態で彼を迎える。彼の身支度を手伝い、ビジネスバッグを持って玄関で見送る。彼が快適に出社できるよう懸命に努めた。

そして彼が家を空けている間には洗濯や掃除、買い物や調理を万事徹底して行った。

でもどうやら透哉さんは、そんな私を快く思っていないようだ。

「琴子、少しがんばりすぎじゃないのか」

一緒に暮らし始めて一週間が過ぎた頃、彼にリビングのソファに呼ばれ苦言を呈された。

「え? そうでしょうか?」

私にとっては当たり前のことをしているだけだったので戸惑った。

透哉さんのほうが毎日遅くまで仕事をがんばってくれていると思う。

「ああ。それにあまり寝ていないだろ? クマができてる」

そっと目もとを撫でられ、私は焦った。

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