独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「すみません、もう少し身だしなみに注意します」 

「そういうことを言っているんじゃない。俺は琴子を心配してるんだ。住環境が変わって、今はそれに馴染むだけで大変だろう? 家政婦を雇って、家事はすべて任せてもいいんだよ」

私が至らないせいで、透哉さんに気を揉ませてしまったようだ。

「いいえ……、家事は私にやらせてください」

必死にお願いすると、彼は小さく息をつく。

「まあ寝不足なのは、俺が毎晩琴子をなかなか放してやれないというのが、大いにあるだろうが」

私はかあっとなった。

この一週間、彼は夜ごと情熱的に私を求める。そういう欲求からしてくれているのだとわかっているけれど、愛されているのではと錯覚してしまいそうなほどだった。

「透哉さんのせいじゃありません……」

彼に責任を感じさせるなんて不甲斐なかった。

「琴子は何事にも一生懸命すぎるな……」

どうしたものかというような表情で、彼はしばらく押し黙った。

じっと私を見つめていたかと思うと、大きな手を私の頭に載せる。

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