独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「うれしいです。隣のドレスサロンに実物があるので、ぜひ試着してみてください」

玲於奈さんに促され、私と透哉さんはドレスサロンに向かった。

壁一面にずらりと並んだウエディングドレスは圧巻で、思わずみとれてしまう。

「わあ……きれい」

「透哉はあっちでお茶でも飲んでてくれるかしら」

玲於奈さんは透哉さんをアトリエのスタッフに託し、私とフィッティングルームに入った。

まずは純白のウエディングドレスの試着からだ。

「上原先生、森川さまがいらっしゃいました」

私が洋服を脱ぎかけたとき、アトリエのスタッフが玲於奈さんを呼びに来た。

「あら、予定よりずいぶん早いわね。ごめんなさい、琴子さん。お客さまにご挨拶してくるから、少し待っていてもらえますか?」

申し訳なさそうな玲於奈さんに、私は微笑みかける。

「はい。自分で着られそうなところまで進めておきますね」

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