独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
少しずつ透哉さんとの新婚生活にも慣れてきた頃だった。

「次の土曜日、俺の両親がここに来たいと言っているがいいか?」

透哉さんに尋ねられ、私は目を見開いた。彼の両親とはお見合いの日以来顔を合わせておらず、私はそれがずっと気掛かりだったのだ。

「もちろんです。私、しっかりおもてなししますね」

張り切って家中を磨き上げ、当日は色鮮やかな海鮮のちらし寿司を作り、彼の両親を夕食に招待した。

「お義父さま、お義母さま、ご無沙汰しております」

「ああ、久しぶりだね。なかなか会いに来られず申し訳なかったね」

お義父さまは私に手土産を差し出した。

なるべく緊張を表に出さないように努めふたりをリビングに案内すると、お義母さまが「まあ、センスのいいお花」と私がテーブルに飾っていた生花のアレンジメントを褒めてくれる。ふたりともお見合いの日とは違い、とても柔和な雰囲気だった。

食事の最中も終始和やかで、まるで何事もなかったかのようだ。やっとみんなで集まれたから、場の空気を壊さないために気を遣ってくれているのかもしれない。

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