独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
でも私はこのままあの件に蓋をしたくはなかった。

彼らときちんと向き合いたい。

そうしないといつまでももやもやが消えてくれなかった。

「お義父さま、お義母さま、わずかばかりですがお金をご返済させてください」

食事のあと、私は先日透哉さんが受け取ってくれなかった封筒を彼の両親に差し出した。

「琴子、まだそんなことを言っているのか」

透哉さんは私の行いに眉根を寄せる。

彼の両親は困惑したような表情をしていた。

「琴子さん、今夜私たちがここに来たのは、あなたに返済を迫るためでも、粗探しをするためでもないの」

お義母さまは私をまっすぐに見据える。

「お見合いの日、私はあなたにひどい言い方をしてしまったわね。いくら腹を立てていたとはいえ、本当に申し訳なかったわ。ごめんなさいね」

「とんでもないです」

私はかぶりを振った。お義母さまが罪悪感を覚える必要はない。真崎貿易グループの社長夫人として、あれは当然だった。

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