独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「近々、琴子さんのお母さまにも会わせていただきたいわ。あの日の非礼を詫びなくちゃね」

お義母さまは私の母まで気遣ってくれた。

透哉さんの両親と和解でき、喜びが込み上げる。彼らと家族になれたことに心から感謝した。

ふたりが帰ると、私は透哉さんにもお礼を言った。

私の知らないところで、彼はひたむきに尽力してくれていたのだ。板挟みになっていた彼が一番つらかったはずなのに、恨み言をなにひとつこぼさずに。

彼へ愛しさが溢れ出し、私は初めて自分から抱きついた。

「琴子から触れてくるなんてめずらしいな」

透哉さんは少し驚きつつも、私の背中に腕を回してくれた。

「すみません……」

「どうして謝るんだ?」

耳もとで囁かれ、私はなにも言わずに彼の胸に顔を埋める。

だって好きなのは私だけだから、なんて告げれば彼を困らせるだけだ。私たちは政略結婚だと忘れてはいけなかった。

「うれしいよ、琴子」

透哉さんの声は弾んでいるように感じたけれど、それはひとえに彼の優しい人柄ゆえなのだ。

私はこれから両家がよい関係を築いていければいいなと思う。

そのためならなんだってする。





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