独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「はい。私にはもったいないくらいです。ただ少しまとまったお金が必要で……」

「それなら真崎さんにやる気があれば、俺が経営してるほかの店を紹介するけど? そっちなら時給は三千円から。研修期間もないよ」

「えっ、ぜひ紹介してください。どちらのカフェでしょうか?」

三倍の時給に、私は思わず飛びついた。

「カフェじゃなくてガールズバーだよ」

「ガールズバー……ですか?」

名称に聞き覚えはあるけれど、実際にどういった店なのかはよく知らなかった。

「そ。バーでお酒を飲みながら、男の人と話すお仕事。基本的に営業時間は夜だけど、午前十一時からやってるところが一ヶ所あるから、そこでどう?」

「すみません、やっぱり私……」

私はすぐに難色を示した。たとえ日中でもさすがに風俗営業には足を踏み入れられない。

「キャバクラとかとは違って、ガールズバーは法律上普通の飲食店扱いだよ。接待接客は禁止されてるし、バーカウンター越しだからお触りされる心配もない。うちはノルマもないし、お酒が苦手なら飲まなくても大丈夫」

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