虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 そんな彼女の手の中で例の石はもう火花を消していた。しかし、なんらかの力が残っているのは感じる。

(緑色の石だけど、風の力ではないんだよね。じゃあ、なんだろう?)

 じっと見つめていると、不意に頭の中に文字が浮かんだ。

「……『盾』?」

 ぽつりとつぶやいたアルトリシアの顔をルブが覗き込む。

「ん?」

「あ、ううん。この魔石にはどういう力があるのかなって思ったら、頭の中で『盾』って聞こえたの。ルブが言ったんじゃないよね?」

「言ってないぞ」

 不思議そうに言われて彼女も首を傾げた。

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