この恋は狂暴です
《薫side》

うっ――っ!そんなセリフを、んな格好で言いやがってっ!
こいつわぁ―――――――――っ!!

大体、さっきはキスまでする予定じゃなかったんだけど、俺が乃野と付き合ってるって言った瞬間、男共の顔つきが変わった。
俺はそれを見逃さなかったんだ。
俺だけじゃねぇ、乃野はかなりモテる。こいつに自覚ないだけで。
だから
くそっ ・・っ、他の奴にみせつけたかったんだ!
俺のモノだからお前ら手ぇ出すなって!


ちっ!ホント余裕ねぇな俺。



授業をうける気分じゃなかった俺たちはそのまま屋上にいることにした。

そこへ、
「よっ!お二人さん♪」
桃弥登場。
「あんだよ?そんなイヤな顔すんなよ。ホラ。」
そう言って、紙パックのジュースを2個投げてよこした。
2人して、喉渇いたなーなんて言ってたとこだったから、タイミングいい。

「おっ、めずらしく気がきくじゃん桃弥。」 俺は乃野にジュースを選ばせながら言った。
ピーチジュースを選んだ乃野も、 「ホントホント」 と続ける。
桃弥は口を尖らせて
「そんな事を言うなら、ソレ金払えよ。」 とジュースを指さす。
「桃~ホントいい男だよね~♪」 すかさず乃野が桃弥を持ち上げると、
「ちっ。姫にはかなわねー」 と、顔を赤らめた。


「ところで。
カッコよかったぜ~薫くん♪」
さっきの事を言っているんだろう桃弥は、言葉を続けた。
「でも、人前でチュ―はダメだろ?チューは!」人差し指を立ててそう言う。
「は?お前は保護者かっ?!」
そんなボケ、ツッコミを乃野が楽しそうに笑って見ている。

「乃野、やっと笑った」 俺の言葉に乃野は、「え?」キョトン顔をする。
「今日はまだ乃野の笑った顔見てなかったから」とニコッと微笑んだ。


《乃野side》

あ――――――― // ファンの皆様ごめんなさい。
この笑顔で落ちない女の子はいないんじゃないかと思うくらい。
これを私が独り占めしていいの?

ホントは不安。薫の手がいつか離れてしまうんじゃないかって。
たぶん
幸せすぎちゃうから考えちゃうんだね。こんなコト。
・・薫に聞かれたらまた怒られそう。



結局、その日は騒ぎがひどいから、3人して放課後まで屋上で過ごした。(お昼ごはんは、やはり桃が調達してきてくれて♪)

「さて、そろそろ帰るか。」
薫の言葉で、ようやく3人の腰が上がった。
すると桃が 
「じゃ、俺はここで。」 と手を挙げる。
「え?一緒に帰らないの?方向同じじゃん」 て、私が言うと、
「いいや!今日からは薫と姫。2人で帰る事!!せっかく薫が、皆の前で宣言したんだからな♪」
そう言ってニカッと笑い手をヒラヒラさせて屋上から出て行った。

「桃・・」

「ホント、いい奴だよな。桃弥は。」
薫は、ポンと私の頭に手を置いてそう言った。


うん。




帰り道。

「あ、そう言えば、薫と桃ってずーっと同じクラスだよね。最初から仲良かったの?」
これだけ3人でいるのに肝心な事は知らない私。

「ん―――――――、入学式の時、サボるつもりで屋上へ上がろうとしていたときに偶然、桃弥もサボりにきていて――、 みたいなカンジ?」

は―――――――――――、どうりで入学式の時、どこ探しても見当たらないハズだわ(ため息)

「で、しゃべっていたら、同じクラスで、しかも出席番でも前後ろ。藤木の(ふ)と火野の(ひ)だから。」
「あ―。」 納得。

「最初のきっかけは、そんなモンだったけど、それよりも桃弥の人間性っていうか、そういうのに惹かれていったから。」
そう言った薫は、なんか嬉しそうに笑った。 

目に見えないなにか 
・・親友と呼びあえる大切な何かが、薫と桃にはあるんだなぁ。
私と泉がそうであるように ・・・。

あ、そうだ!泉にまた報告しなきゃ♪

ニコニコそんな事を考えてると、急に薫が
「乃野は、学校で友達いるのか?」 と聞いてきた。

薫は興味のない人物って目に入らないみたいで、私の側に誰か居ても、たぶん・・覚えていない。
「うん、いるよ。一応。」

泉とはタイプが違うけど、中学も一緒の美和。 クラスも同じで、少し前までは泉ともたまに3人で遊んでたりしてた。
中学の時はあまり接点なかったけど、今は仲良しだ。 
私が薫の事を好きだってのも知っている。

泉は中学から付き合っている彼氏(隣の中学だったイッコ上の大ちゃん)がいるけど、美和は今、彼氏はいない。
顔も可愛くて、ちっちゃいから美和はモテる。
なのに、この頃、彼氏という存在を作っていない。
美和に言わせると、「ちょっと休息中」らしい。

恋バナで盛り上がる泉と違って、美和とはオシャレ関係で盛り上がるカンジかな?
薫の事も、あまり興味ないみたいで、私が薫のコトを話すとき、途中で電話かけに行ったり、ボーッとしたりしている。
その度に、泉に「あんた聞いてんの?」と、よく頭を殴られてたな・・美和は。(笑)



「なにニヤニヤ笑ってんの?乃野、やらしー」
に、にやにやって、っ 確かに思い出し笑いだけど、そんなに変な顔して笑ってたのかなぁ?私。
おもわず両手で顔を覆う。

「なー乃野。なに考えてたの?」 顔を覗き込んでくる薫。
ひゃぁっ//
「べ、別にっ!私の親友の事を考えてただけ!」
両手で顔を覆ったままそう答えた。

「ふ―――ん。乃野の親友って同じクラス?」
「うん。1人は違う学校だけど、もう1人は同じだよ。」

「へー。じゃ、違う学校へ行った奴って中学からの親友なんだ?」
「2人とも同じ中学だったよ♪違う学校へ行った子は、泉って言って、超――仲いいの♪」

ん?
なんか薫の顔が引きつってる?

「い、泉って、 そいつ、もしかして彼氏いる?」


「う、うん。 ・・大ちゃ、大紀っていう・・」

「げっつ!やっぱりっかっ!うわ、大紀

そう。大ちゃんや泉が、薫と繋がっていたって事を私は知っている。 だって
なにをかくそう! 薫の行く高校を聞き出してもらったり、その他、薫の色々な情報を手に入れられたのは、泉と大ちゃんの協力あってのものだったんだからっ!!

ああっ・・ 今更ながら、感謝だよ!大ちゃんっ♪泉っ♪

「大紀くんは、俺の入ってた族で№2のくせに、全然、先輩風とか吹かさなかったし、そのくせ、ケンカはやたら強えーし、おもしれーし、最高なんだよな。」
薫が楽しそうに大ちゃんの事を話す。


「でも、
俺ら、会わなかったな?」
「え?」
「だって、乃野の親友は泉で、大紀くんもわかってて、その2人がいるたまり場へは俺、よく行ってたんだけど・・」

「んー、なぜか私は出入り禁止だったから、」
そう。なぜか、そこには泉、私を絶対に連れて行ってはくれなかった。
大ちゃんと3人で食事したり、遊んだりはしたけど、そーゆう所へは一切。

「お前、いい仲間もったな。」
え?薫は一言、そう言ってニッと笑った。

その意味はわからないけど、でも、多分、泉の事ほめてくれた。
それが嬉しくて 私はにっこり微笑んで 「うん。」 と答えた。

「もう1人は同じ学校だしな。」
「うん。その子は美和って言うんだけどね♪」

ん?と、その名前にも薫は反応した。

「ん?どうしたの?薫」

今度は泉の時と違う
険しい顔。
「え?もしかして美和の事も知ってるの?薫」

何も答えない薫、

何?
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