生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜

思い出しました

当時、日本でも、スピリチュアルな存在や前前前世の記憶の存在・・・?は一部の人に信じられていたと思う。

神様、仏様、龍神様、キリスト様、お内裏様・・・?

なかでも、‘万物に神が宿るとされる付喪神’信仰は、日本では代表的なものだっただろう。

かくゆう、引きこもりニート的な存在であった篠田波瑠(シノダハル)25歳(女性)も、幼い頃に子守に連れられ、訳も分からず初詣や大祓にでかけた記憶を持つ。

そしてたった10円のお賽銭を使って、神様に大層で自分勝手なお願いをした覚えがある(ごめんなさい)。

波瑠の実家は、おそらく神徒だったと思う。

しかし、若くして人生に疲れ、社会から隔離された生活を送っていた波瑠は、然るべく無神論者になった。

゛ままならないこの世には神などいない゛と。

確か、輪廻転生の思想は仏道の教えであったはず。

無神論者で、不摂生な生活を繰り返し、己の命を蔑ろにする波瑠に、輝かしい未来など保証されるはずもない、むしろ地獄に落ちてもいいくらいだと思っていたのに・・・。

そんな思考の渦に嵌っていた波瑠の脳内に、柔らかくて暖かな耳心地の良い声が囁きかけてくる。

それは、今世に生まれてから絶えず語りかけてくれた優しい光のような声。

真っ白な視界から、急激に現実の世界へと思考を引き戻された。

そうして、少女の意識は、急速に白い光に引き込まれていった。




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