生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「ハルル、大丈夫?」

「う、うん。だいじょうぶ・・・って、みしゅもだいじょぶ?!」

ミシュとはハルルの兄ミシェルの愛称だ。

押し寄せる過去の記憶に翻弄されながらも、倒れゆく身体を自力で持ち直そうとして失敗し、意図せず大好きなミシュの身体を押し倒すことになってしまった。

そのため、ミシュは激しく後頭部とお尻を地面に打ちつけてしまったのだが・・・。

「平気だよ。それよりもハルルが無事で良かった」

"気にしないで"

と、微笑む兄の笑顔が眩しい。

“マジ、天使・・・尊い”

ハルルはガシッと目の前の美しい兄に抱きついた。

相手は5歳児。

3歳と5歳、しかも兄妹という
男女の間に、色気もへったくれもない。

しかし、前前前世?の記憶を取り戻してしまったハルルにとって、ミシェルはとてつもなく美味しい“イケメンショタ枠”であることには変わりなく・・・そこには、なんとなく漂う犯罪臭が・・・。

だけども、だけど・・・!

何より今は兄妹なのだから、ためらうことなどないのだ、わっはっは。

と、ハルルは開き直ってミシェルの胸に顔を埋めた。

”ああ、おにいたん、いいにおいでしゅ“

25歳の記憶を取り戻した(変態?)ハルルの心情は、親戚の子を撫で回すおばさんの気持ちそのものだった。

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