生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「えっと、どういう仕組みかはわからないのですが、この島には第三者が勝手に入ることはできないと把握していたのですが・・・」

「ああ、この島にはスチュアート家が張った結界がありますからね。しかしながら、スチュアート家の人物と同時にであれば、案外侵入は容易いのですよ」

“今確かに侵入って言ったよね?“

ハルルは、モノクル紳士の言葉と態度を注意深く伺った。

「その、スチュアート家の面々はご一緒ではないようですが?」

「ええ、私が御用があるのはハルル様お一人ですからね。島に入れてくれさえすれば彼らには用はないのです」

ジリジリと近づいてくる笑顔のモノクル紳士の目は笑っていない。

「どうして私の名前をご存知なのかしら?」

「先程、獣人と幼子がそう呼んでおりましたよね」

と、いうことはハルルとハウルがここに来る前からこのアオハル学園に侵入していたことになる。

しかも、さっきまでモノクル紳士はハルルの名前を把握してはいなかったということ?

何のためにこの人がこの島に侵入し、何の取り柄もないハルルの前に現れたのかさっぱりわからない。

だが、誰もいない時を狙ってわざわざやって来たということは、あまり喜ばしい理由でもないのだろう。

ハルルは内心溜息をつきながら、モノクル紳士の次の言葉を待った。

< 35 / 88 >

この作品をシェア

pagetop