生まれ変わったら愛されたい〜元引きこもりニートの理想の異世界転生〜
「ルグランがハルルを誘拐したのなら、間違いなく王都か王城、もしくはハルトの私邸に向かったはずです。今すぐ僕はハルルの救出に向かいます」
苦しそうなミシェルは、重い体を引き摺って近場の転移魔法陣へ向かった。
「ミシェルとハルルは半径10km以上は離れていられない。おそらく同じようにハルルも体調を崩し始めているはずだ。この事実はさすがのルグランでも知らない情報。ああ、あの馬鹿めが私のかわいいハルルに無理をさせていなければいいが」
「ハルルは僕のですよ」
苦しみながらも念を押してくる息子に、ロゼレムは苦笑いを返した。
「父上は島に残ってください。父上が不在となれば、島の結界が危うくなる」
「なあに、島には年老いたとはいえ、ルグランに引けを取らない魔術師のレザルスがいる。大丈夫だ」
自信満々に言うロゼレム。
「その優秀な魔術師と父上がかけた結界が破られて侵入されたのですよ?どこにそんな自信を持てる根拠が?」
腹黒ミシェルは毒舌ミシェルに進化していたが、誰も驚かない。
激甘ミシェルは、ハルル限定の特別バージョンなのだと、ハルル以外の人物はしっかり認識できているのだから。
「う、き、このところ警戒を怠っていたことは反論できない事実だ。王位継承権さえ放棄すれば兄上もハルトも我々に関わってくることはないと、この18年で高を括ってしまっていた」
ロゼレムの都合のいい言い訳を黙って聞いている暇はない。
ミシェルは、ダラダラと言い訳を重ねるロゼレムを無視して転移魔法陣に向かって歩を進めた。
その間もハルルのことが気掛かりでとても落ち着けそうにない。
「俺も行かせてくれ」
「次はないぞ?」
「わかってる。すまなかった」
言い訳はしないが、いつになく焦りを隠さないハウルを一瞥して、ミシェルは呟く。
「ムーブ(転移)」
二人のイケメンを淡い光が包んだ直後、転移魔法陣は島国と王都を繋ぐ往路へと変わった。
苦しそうなミシェルは、重い体を引き摺って近場の転移魔法陣へ向かった。
「ミシェルとハルルは半径10km以上は離れていられない。おそらく同じようにハルルも体調を崩し始めているはずだ。この事実はさすがのルグランでも知らない情報。ああ、あの馬鹿めが私のかわいいハルルに無理をさせていなければいいが」
「ハルルは僕のですよ」
苦しみながらも念を押してくる息子に、ロゼレムは苦笑いを返した。
「父上は島に残ってください。父上が不在となれば、島の結界が危うくなる」
「なあに、島には年老いたとはいえ、ルグランに引けを取らない魔術師のレザルスがいる。大丈夫だ」
自信満々に言うロゼレム。
「その優秀な魔術師と父上がかけた結界が破られて侵入されたのですよ?どこにそんな自信を持てる根拠が?」
腹黒ミシェルは毒舌ミシェルに進化していたが、誰も驚かない。
激甘ミシェルは、ハルル限定の特別バージョンなのだと、ハルル以外の人物はしっかり認識できているのだから。
「う、き、このところ警戒を怠っていたことは反論できない事実だ。王位継承権さえ放棄すれば兄上もハルトも我々に関わってくることはないと、この18年で高を括ってしまっていた」
ロゼレムの都合のいい言い訳を黙って聞いている暇はない。
ミシェルは、ダラダラと言い訳を重ねるロゼレムを無視して転移魔法陣に向かって歩を進めた。
その間もハルルのことが気掛かりでとても落ち着けそうにない。
「俺も行かせてくれ」
「次はないぞ?」
「わかってる。すまなかった」
言い訳はしないが、いつになく焦りを隠さないハウルを一瞥して、ミシェルは呟く。
「ムーブ(転移)」
二人のイケメンを淡い光が包んだ直後、転移魔法陣は島国と王都を繋ぐ往路へと変わった。