私に恋を教えてください
柚葉が俯く。
誰なんだ?

柚葉自身は、付き合っている男性はいないはずだ。

けれど本人がそう思っていないだけで、そういうような人がいるのかもしれない。
柚葉は恋愛ごとに疎いところがある。

だから自分に自覚がなくても、その気になっている人がいてもおかしくはない。
しかも柚葉と年が近くて、お似合いな。

「弟なんですけど、着替えを持ってきてもらって……」

「お、弟?さん?」
「はい。泊まりが急になってしまったので自宅に連絡したんですけど、たまたま弟がいて着替えを持ってきてくれると言うので」

「それで部屋着……なのか……」
もう、須藤は力が抜けそうだ。
思わず柚葉を抱き寄せた。

「え……駆琉さん……?」
「弟さん、イケメンだね」

確かに柚葉がこれほど綺麗な顔立ちなのだから、その弟であれば整った顔立ちであっても不思議はない。
けれど、問題はそういうことではなくて。
この胸の痛みを、どうしたらいいのか分からないからだ。
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