私に恋を教えてください
最上階には、小さいけれどバーがあった。薄暗くて静かな音楽がながれている。
この雰囲気なら落ち着けそうだと店の中を見ると、カウンターに侑也が一人でグラスを傾けている姿がある。
──そう言えば少し飲むと言っていたか。
「もう、来ないと思ったな」
隣に座った須藤に、侑也はそう言って笑った。
「一杯だけ」
同じのを下さい、と須藤はバーテンダーに頼む。
目の前に琥珀色の液体。
少し口に含むと、アルコールの香りが鼻を通る。まろやかな甘さだ。
「柚葉ちゃんとはどうなんだ?」
「可愛いよ。あのまんまなんだ」
須藤がそう答えると、どう思っているのか侑也からはふふっと笑い声が聞こえた。
「だろうなあ……裏表なさそうだもんな。一生懸命でひたむき、か。怖い?」
「いや。全てを受けとめたいから怖さはない。けれど別の怖さはある。期待に応えられないんじゃないかとか。いつか彼女が冷めるんじゃないか、とか」
「真面目過ぎ。可愛い、結構じゃないか。期待になんていつまでも応えられるわけじゃない。それで冷めるんならそれまでだろう。なぜ、余計なことを考える?今、手の中にあるものを大事にしなかったら意味はないぞ。いつも石橋を叩いてばかりいるな、駆琉は」
この雰囲気なら落ち着けそうだと店の中を見ると、カウンターに侑也が一人でグラスを傾けている姿がある。
──そう言えば少し飲むと言っていたか。
「もう、来ないと思ったな」
隣に座った須藤に、侑也はそう言って笑った。
「一杯だけ」
同じのを下さい、と須藤はバーテンダーに頼む。
目の前に琥珀色の液体。
少し口に含むと、アルコールの香りが鼻を通る。まろやかな甘さだ。
「柚葉ちゃんとはどうなんだ?」
「可愛いよ。あのまんまなんだ」
須藤がそう答えると、どう思っているのか侑也からはふふっと笑い声が聞こえた。
「だろうなあ……裏表なさそうだもんな。一生懸命でひたむき、か。怖い?」
「いや。全てを受けとめたいから怖さはない。けれど別の怖さはある。期待に応えられないんじゃないかとか。いつか彼女が冷めるんじゃないか、とか」
「真面目過ぎ。可愛い、結構じゃないか。期待になんていつまでも応えられるわけじゃない。それで冷めるんならそれまでだろう。なぜ、余計なことを考える?今、手の中にあるものを大事にしなかったら意味はないぞ。いつも石橋を叩いてばかりいるな、駆琉は」