私に恋を教えてください
(本当に……頑張ったの)

腕の中で眠ってしまった柚葉を見て、須藤はもう一度抱きしめて額にキスをする。

お嬢様である柚葉が、どれほどの決意で自分に全てをくれたのか……。
その想いを考えると、ひとつの決意にしか至らない。

柚葉の事は、遊びや甘い気持ちではないから。



「……ん」
柚葉が眠りから覚めると、何か温かいものが布団の中にいる。

まだ完全に目は覚めていなくて、寝ぼけている柚葉だ。
「愛華ちゃん……? 今、何時……?」

「寝ぼけているね? 今、6時だよ」
低くて笑いを含んだその声は須藤のものだ。

まだ目を閉じて微睡んでいた柚葉はその声を聞いて、ぱちっと目を開ける。
「まだ早い。もう少し寝ていなさい」
腕枕をしてくれていた手が緩やかに柚葉を抱いて、こめかみにキスを落した。

「……っか……ちょ、いえ、駆琉、さん……」
「おはよう」
「お……はよ、ござい、ます……」

ふと気付くと、布団の中では人とも一糸まとわぬ姿でいて、柚葉は急に恥ずかしくなってしまって、布団をぎゅうっと抱きしめる。
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