私に恋を教えてください
駆琉は少し、動きを止めた。
華やかな着物姿もさることながら、それに負けないくらいの柚葉の美しさなのだ。

いつもはさらりと流している髪をまとめて緩くアップにして、綺麗な簪がうなじの横に見える。

そのくせ、無防備な表情。
一瞬、画面に指が触れた。
つい触れたくなってしまったから。

駆琉は画面に釘付けになりそうなのを、何とか閉じて何事もなかったかのように仕事に戻る。

「ん? 須藤? なんかあった?」
「いえ、大丈夫です」

ただ可愛くて仕方のない恋人のとんでもなく可愛い写真が送られてきただけだ。
着信の時の待ち受けにしよう、と駆琉は密かに決めた。



柚葉がお迎えに出た時の、お客様の反応はそれはそれは、予想以上だった。

「うわー、めっちゃ、可愛いなぁ!」
取引先だと言うのでそれなりにお年がいっている人なのかと思ったら、とても若い人だったので柚葉は驚いた。

しかも、俳優のように顔立ちの整った美形だったのだ。
背が高く、スラリと長い手足。
緩やかなウエーブの金髪に、吸い込まれそうな澄んだ青い瞳はなかなかに迫力がある。
< 208 / 277 >

この作品をシェア

pagetop