私に恋を教えてください
柚葉は首を横に振る。
「照れてしまったけれど、私も嬉しかったです。あの……お姉さんにご挨拶もできましたし。私のこと、話してくださっていたんですね」
「ん……そう。姉にはね」

いつも駆琉は色んなことをハッキリ言ってくれるけれど、今日は繋いだ指先からですら気持ちが伝わるような気が柚葉はした。
緩やかに抱き寄せられて、視線が絡み合う。

──大好きです。
そっと重なった唇からも、柚葉は気持ちが伝わればいいと思った。



翌日、朝一でミーティングルームに入った3人は、昼近くになってようやく部屋から出てきた。
侑也と駆琉は、ややぐったりしていたけれどクリスは元気だ。

「いい話ができて良かった」
「有益だったな」
「時間割いて、日本に来た甲斐はあったわ」

「柚葉ちゃん、今回は駆琉が一緒にいたから資料は(まと)めなくて大丈夫。駆琉はそれを法務に回して、弁護士の承認もらってくれ。クリス、正式な書面はそれが完了してからになるんで、よろしく」

「もちろん。こっちも一旦チェックしてもうてからやな」
「了解した」
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