私に恋を教えてください
「あの……ミスをなくそうと思ってチェックしていたんですけど、こんな時間になってしましました」

こんな時間までか……。
須藤はそう思ったけれど、柚葉が真っ赤になって俯いているのを見たら、責める気持ちにはなれなかった。

「ミスをなくそうとするのは、感心だけど、確かにこの時間まで残るのは望ましくはないかな」
そう言って、須藤が緩く首を傾げると、柚葉は俯いてしまった。
「すみません」

決して、いじめたい訳ではないのに、ここ最近、柚葉からは、すみませんという言葉しか聞いていないような気がした。

こんなにいとけない子に。

「ミスは君だけのせいではないからね。俺の責任でもある。俺もチェックするよ」
そう言って須藤は柚葉の隣の席に腰を掛け、椅子ごと近づいて、画面とメモとを照らし合わせ始める。

叱られるかと思った柚葉は、その須藤の対応にどきっとする。

嫌われているのかと思っていたから。

こんな風に、肩が擦れ合ってしまいそうなくらいのその距離に須藤がいることに、柚葉は緊張してしまう。
真剣に画面を見る、須藤の横顔が近い。
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