私に恋を教えてください
自宅のドアを開け廊下を進むと自動で点灯するライトに、駆琉はこのマンションに住んで初めて友人の結婚がダメになってしまったことを残念に思った。
きっとこういうことだったのだろうと思うのに。

そして、それに気づいた柚葉を愛おしく思う。

ベッドにそっとケントを寝かせると、一瞬眠りが浅くなったのか、ケントが「んっ……」と寝返りを打つ。
それに柚葉がぽんぽん……と軽く撫でるとまた、安心したように寝息が深くなるのが分かった。

柚葉は本当に子供の扱いに慣れている。

「行こうか……」
声を潜めて、柚葉の耳元でそう言うと、
「はい」
柚葉も密やかに答える。

リビングに行くと、我慢出来なくて、駆琉は柚葉を強く抱き寄せた。

「駆琉、さん……」
「つい、子供が出来たらこんな感じかな……と思ってしまうな……」
そうしたら、普段以上に柚葉を愛おしく感じて。

胸に柚葉が顔を埋め、その手が背中に回る。
「あの、私も……そんな風に思っちゃいました」
< 266 / 277 >

この作品をシェア

pagetop