私に恋を教えてください
ちっとも泣き止まないケントをダグラスが抱き上げて、困ったように『また来るから、帰るよ』と駆琉に告げる。

莉子は、あまり泣いたりしない子なんだけど……と不思議そうだ。

「まあ、若いから、すぐ立ち直るだろ」
「え?」
「いや、こっちの話。旅行楽しんでな。今は泣いてるからいいけど、落ち着いたらケントにも楽しかったって伝えといて」

「分かったわ。二人ともありがとうね。また、来るわ」
「うん」

泣きじゃくるケントが
「こ、これっ……お礼……」
と駆琉に昨日のギフトショップの袋を渡す。

「え? いいのか?」
こくこくとケントは頷いた。

「ありがとうな」
ケントはダグラスの首に抱きついて離れない。
まだ、込み上げる様々な感情を処理しきれていないようだ。

顔を上げようとしないので、柚葉がそっとその背に触れた。
「ケントくん、またね」

その優しいささやきに、ケントはまた涙がこみ上げてしまったようだ。
わーん……と泣き出す。
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