今は秘書の時間ではありません
夜、一樹から電話来た。

そういえば鍵私が持ったままだった…。

『ごめんなさい、鍵持ったままでした!』

『あれスペアだからいいんだよ。紗奈にあげたんだから。』

『ありがとう。』

『今から紗奈の部屋に行ってもいい?』

『…はい。』

8時だからご飯はまだかな?
何があるかな〜と冷蔵庫を覗く。
今日昼寝もしてしまったし買い物に行ってないからあまり充実していないがパスタとスープくらいなら作れるかも。

パスタは来てからだけどスープは作ってしまおう。

あまり野菜なので全て刻み、ミネストローネが出来上がる。

ピンポン

あ、もう来た。

思ったより早い。

「お帰りなさい。」

「…最高!」

「?」

一樹がいきなり私を抱っこした。
「紗奈〜!もう一回言って。」

「一樹、おかえり!」

抱き上げられた私は一樹を見下ろしながらキスをする。

「うーん、紗奈最高!」

「さぁ、ご飯にしよ!」

一樹は私を下ろしてくれる。
2人で中へ入ると私はパスタの支度をする。

「紗奈、お風呂入っちゃだめ??」

「いいけどお湯張ってないよ。入る?」

「シャワーでいい。今朝慌ててさっとしか入ってないし忙しかったから汗だくて。ごめんな、臭くて…。」

「大丈夫。けど…着替えないからまた着ないといけないよね。コンビニ近いから行ってくるよ。」

「どこにあるの?」

「マンション出て右手に進んで1分くらいかな。」

「じゃ、ちょこっと行ってくる。」

「入ってていいよ。私が行くから。」

「いいんだよ。俺が行ってくるから。」

一樹はさっと玄関に向かって出て行った。
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