今は秘書の時間ではありません
特に渋滞にはまることなく横浜に到着した。

ひとまずランチにしようと連れてこられたのは小さなカフェだった。
アメリカに行ってからは来れてなかったというカフェ。
中に入るとアメリカンな空気が流れる。
ハンバーガーが美味しいと教えてもらい、小さいサイズがいいよ、と言われるがままにオーダーした。
たしかに。
一樹のハンバーガーは半端なく大きい。
ファーストフードのダブルのハンバーガー2個分はあるだろう。
私の小さいのだって1個分はありそう。
このピクルスが自家製でこれまた美味しいんだよ、と言い頬張る一樹。
一口食べると知ってるピクルスと違う!美味しい!

私たちのお腹は膨れ、2人で山下公園を散歩する。

「お腹いっぱい…。」

「そうだな。でも美味しかっただろ。」

「はい!とってもおいしかったです。ありがとうございます。」

「よかった。小さいカフェだけど本当に穴場なんだよ。みんなには教えられない。店からしたら困るだろうけどさ。」

「そうですね。教えてあげたいような、でも内緒にしておきたいようなって気持ちわかる気がします。」

船を見ながらのんびりベンチに座る。

ポカポカして気持ちがいい。
昨日までの私は社長とこんな時間を過ごすなんて思いもしなかった…
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