今は秘書の時間ではありません
一樹は私を連れて船着場へ向かった。

ここから横浜湾をクルージングできるらしい。

一樹は知らない間に予約してくれたようで今からディナークルーズしようって誘ってくれた。

夕方になり太陽が落ちてきたところで出港となった。

窓側に並ぶテーブル席に案内され着席した。

「夕陽が綺麗ですね。」

「そうだね。」

飲み物は車のため2人ともノンアルコールでお願いした。

「そういえば…昨日私が酔っ払った話をしてましたよね?私、一樹の前で酔ったことない気がするの。」

「紗奈は覚えてないかもしれないけどさ。初めて辞めるって言った時に俺電話したんだよ。そしたら酔ってて、みなみって人と勘違いしてたみたいなんだよ。散々俺の悪口言ってたよ。ククク…」

「ウソ!」

「ホント」

「覚えてない。」

「だろうな。面白いくらいに俺の文句話してて、そしたらそのうち寝ちゃってさ。寝言も可愛くてしばらく聞いてた…。」

「ウソ!何で寝言聞いてるのよぉ。」

「ごめんな、あの時は可愛くて電話きれなかったんだよ。」

「機嫌なおして美味しいご飯たべようよ。」

「もー!」

「はいはい。」

コース料理はどれも美味しかった。
料理が終わるとそのまま中でお酒を楽しみながら夜景を見る人やデッキに出たりする人とそれぞれ分かれるが俺たちはデッキに出ることにした。
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