今は秘書の時間ではありません
「なぁ、紗奈。もう一度昨日の事をやり直させて欲しい。紗奈が好きだ。いつでも紗奈に会いたい。紗奈と話したい。紗奈のそばにいたい。俺が仕事じゃない時は俺が紗奈を支えたい。守りたい。だから俺と付き合ってください。紗奈が俺を信用してくれるまで返事は待ち続けさせてください。」

「一樹…。私、一樹のこれからを信用したいよ。だから今返事をさせてね。よろしくお願いします。一樹だけ頑張るんじゃないよ。私にも頑張らさせてね。」

私から一樹の胸に飛び込んだ。
昨日と同じくらい早い一樹の心臓の音が今日は愛おしい。

「絶対幸せにするから!大事にするから。」

「うん…。」

「さっきの約束破っていい?」

「うん…。」

私は目を閉じる。

一樹の温かい唇が私の唇に触れてきた。
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