若旦那様は愛しい政略妻を逃がさない〜本日、跡継ぎを宿すために嫁入りします〜
「ママが病気で亡くなって孤独を感じていたところへ、パパからあのパーティーの話が」

「そうだったんですね」

「あ、でも若旦那さまのビジュアルを気に入ったのはあります。好みでなかったら、ここまで来ていませんから」

「私は澪緒さまのはっきり言う性格が羨ましいです。そのようなところも若旦那さまのお気に召したのですわね。あ、早くいただかないと待ち合わせの時間に遅れてしまいますね」

 まだ半分以上残っているチーズバーガーとポテトフライを翠子さんは急いで食べ始めた。


 地下鉄で日本橋に戻り、翠子さんはデパートまで案内してくれる。

「若旦那さまは大抵外商でお買い物をされます」

「外商?」

「はい。特別な上顧客が売り場を通さずに買い物をすることです。自宅に商品を持ってきてもらって買うこともあります」

「デパートのVIPみたいなものなのね」

 翠子さんの説明に頷いたところで、エレベーターが到着を知らせた。

< 101 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop