若旦那様は愛しい政略妻を逃がさない〜本日、跡継ぎを宿すために嫁入りします〜
「それは誰から教わったんだ?」

「えっと、大目玉食らっちゃう?」

「そう」

 絢斗さんはコクッと頷く。

「女性スタッフに。彼女たち色々教えてくれるので助かるの」

「なるほど」

「でも、実のところ、若旦那さまと絢斗さんの呼び方は戸惑ってしまって」

「俺とふたりのときは名前でいい」

「それはケースバイケースで」

「抱いているときに若旦那さまはやめろよ。なんのプレイだ?と萎える」

 絢斗さんの言っていることが理解不能で首を傾げる。

「抱きつきながら若旦那さまがいけないの……?」

 私は手を伸ばして彼にハグをし、にっこり笑いながら「若旦那さま」と口にした。

「それは抱きついているだけだ。俺が言っているのはセックスのことだ。どれだけ無邪気なんだ?」

 彼の瞳が熱を帯びたように見えた。

 絢斗さんの腕が私の腰に回り、ポカンとなっている私に美麗な顔が落ちてくる。

「んんっ……」

 彼の唇が私の唇に重なった。
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