エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
……近々、天変地異とか起こらなければいいけど。
ついさっきまで重苦しい雰囲気が漂っていたのが、私と加納の頓狂な声が揃ったことにより、あたかもそれが嘘だったかのように、私たちを取り巻く空気が一気に和み。
「……な、なんだよ二人して。俺が行っちゃマズいのか?」
般若のようなドス黒いオーラが霧散し、今じゃすっかり、拗ねて不貞腐れてしまった子供のような口調の窪塚が、途端に可愛く思えてくるくらいだった。
風向きも変わり、窪塚と不埒な関係を持つようになって以来いつもいつも揶揄われてばかりだったことから、ついつい悪戯心が湧いてきて。
「あッ、や、そうじゃなくて。いつも面倒だって言ってたから珍しいなと思って」
「そうそう、私も吃驚した。だっていっつも『あんなクソつまんねー話』とか言ってたから」
未だ驚きを隠せずにいる加納の言葉に便乗して窪塚のことを追い詰めるという、姑息な手段をとってみたりもした。
「……前々から気になってたテーマなんだからいいだろう? 別に」
「へぇ、そうなんだ。でも今回は、在宅医療とリハビリに関してだけど。窪塚がそんなのに興味あったなんて、それこそ意外。ねぇ? 加納」